クレジット
ノート
1991年に細野晴臣、忌野清志郎、坂本冬美による異色ユニット「HIS」が結成されたことで、演歌界から坂本冬美が歌謡曲の世界に引き込まれたことから始まる。蜷局巻く情念をうねる小節で締め上げる強者の世界ではなく、聞き手の共感にバイパスするタイプの歌唱を経験した。
2007年にはビリー・バンバンが31枚目のシングル「また君に恋してる」を発表しスマッシュヒット。翌年には坂本がカバーして「いいちこ」のCMソングに起用された。歌謡曲の世界に10余年ぶりのカムバックを果たした坂本のカバーは割と小節が効いている。本項の小早川版はこれがリファレンスになっているようだが、仕上がりとしてはうねる情念を重機で均すような安定のビリー・バンバン歌唱版に近く、このフィット感が小早川の2ndソロ曲「薄紅」につながっていく。